電子事業部 -事例紹介-

高板厚および高多層基板の実装

課題

高板厚および高多層基板の実装について、設備面と実装技術を確立しました。

1.高板厚基板
 一般的なプリント基板の厚さは1.6㎜程度ですが、製品によって1㎜以下の基板から2㎜を超える基板までニーズがあり、厚くなるに従い熱容量が必要になり、また、熱ばらつきも大きくなります。
2.多層基板
 層数は両面~何十層までの基板があり、層数が高くなると、各層を構成している銅箔の比率が高くなり、上記と同じく、熱容量が必要になり、また、熱ばらつきも大きくなります。

当社のご提案

高板厚、高多層基板が使用される背景

 データ通信速度や処理速度の増加に伴い、多層基板が増加傾向です。また、通信インフラ系基板やメモリー用の基板などは、厚板基板が増加傾向です。この流れに対し搭載される部品は、大小様々な部品が両面に混載される状況にあります。例えば、0402サイズのチップ部品からBGA/LGA/FPGAなどの大型表面実装部品等です。
 これらの状況で、バランスよく実装しはんだ付け品質を保つには、①安定したはんだ印刷技術。②はんだ体積を安定供給する為のメタルマスク開口の設定。③大小様々な部品を安定してはんだ硬化させるプロファイルの設定とそれを可能にする設備といった要素が必要です。

高板厚、高多層基板実装の難しさ

 高多層基板は、厚板で層数も多いため、基板自体の熱容量が増加すると共に加熱されにくくなります。また、大小様々な大きさの電子部品が搭載された場合、電子部品間での加熱ばらつき、加熱不足が発生します。特に高多層の基板には大型の実装部品や放熱板付きIC等が搭載されると、はんだ融点まで加熱するのに多くの熱量が必要となります。このように高多層基板は熱容量が増すだけでなく搭載される部品種によって均一加熱の難易度は上がります。実装品質を安定させるためには特殊な実装技術と設備が必要とされます。

当社としての対応

 当社では、12ゾーンリフロー炉を導入し、その特性を活かした段階的な温度設定を実施することで、部品へのダメージ軽減と特殊大型部品への安定したはんだ付け品質を実現しています。また、挿入部品に対しては、スポットはんだ槽またはフロー実装ではんだ付けを行いますが、基板の熱容量の増加に伴い、加熱度合いと他部品や基板への損傷を最小限にする生産技術力が求められ、当社では適切な温度管理を行っております。

結果

高板厚および多層基板実装が可能

 当社では12ゾーンのリフロー炉に更新し、板厚であれば2mm以上の板厚の基板を、層数であれば18層以上の層数の基板を対応できるようにしております。また、温度プロファイルの取得により温度管理も適切に行い、品質の確保も図っております。

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